代理出産や第三者卵子提供に挑んだ医師が憂う日本の不妊治療
参考 代理出産や第三者卵子提供に挑んだ医師が憂う日本の不妊治療自然に子どもができない夫婦が、夫や妻以外の助けを借りてまで子どもをつくろうとするのは、自然に反する、それを医者が手助けするのは“神の領域”に手を出すことだ、という。
かつて夫婦間の体外受精が今ほど多く行われていなかった時代、生まれた子どもは“試験管ベビー”と呼ばれ、不妊治療を行う医師たちも少なからず“神の領域”と批判を浴びました。だから患者さんも隠して治療をしていた。
命への敬意は決して忘れてはならないものですが、その言い方を借りれば、医療自体がそもそも“神の領域”を侵し続けてきたことになる。
根津八紘/産婦人科医、産科・婦人科・小児科病院「諏訪マタニティークリニック」(長野県下諏訪町)院長。1942年長野県生まれ。68年信州大学医学部卒業。琉球政府(現沖縄県)立中部病院ハワイ大学カリキュラムによる研修修了、沖縄県コザ市(現沖縄市)上村病院、信州大学病院産婦人科勤務を経て、76年諏訪マタニティークリニック開院。86年減胎手術、(多胎妊娠において母子の安全性を考慮し、一部の胎児を中絶する手術)実施、98年非配偶者間体外受精実施公表、2001年代理出産公表、いずれも日本初の事例。