「解読」の時代から「編集」の時代へ
――人類と遺伝子の濃密なる歴史の行方は?遺伝子の組み換えやクローニングなど、急激な研究の進展に危機感を覚えた科学者たちは、1975年に米アシロマに集い、研究のモラトリアム(一時中断)を決めた。だがその解禁後、人間の全遺伝情報を秘めた「ヒトゲノム」の解読競争にクレイグ・ベンターら世界中の科学者と企業がしのぎを削り、2000年にはヒトゲノム解読が発表された。
一方、この解読後、DNA塩基配列の変化によらない後天的な遺伝現象を解明するエピジェネティクス研究が進み、山中伸弥らによるiPS細胞の作製は世界を驚嘆させた。そして今、ジェニファー・ダウドナらが開発した新技術「クリスパー/キャス9」により、人類は自らの設計図を望み通りに書き換えられる「ゲノム編集」の時代を迎えている。”]
遺伝情報を読むだけでなく、書き換えることができるようになったとき、人間の条件はどう変わるのか? 科学と倫理のせめぎ合いを通して、私たちの現在と未来を照らし出す記念碑的名著。
遺伝子‐親密なる人類史 上・下
2018年4月17日
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