2024年も残すところ、あとわずかとなりました。
皆様にとって、この一年はどのような時間となったでしょうか?
IVFサポートセンターでは、今年一年を通じて、タイの不妊治療に関する様々なニュースや出来事を追いかけ、カップルの皆様に最新情報をお届けしてまいりました。
本記事では、2024年の不妊治療シーンを語る上で欠かせない4つのトピックを取り上げながら、一緒に振り返ってみたいと思います。
1.婚姻平等法案、ついに第一読会を通過
今年、長年LGBTQ+コミュニティが求めてきた婚姻平等法案が、タイ国会の第一読会を圧倒的多数で通過し、改めて大きな注目を集めました。
成立が実現すれば、同性カップルも法的に結婚が認められるだけでなく、家族としての権利を得られるようになります。これは、彼らが子どもを持つ選択肢をさらに広げることにもつながり、不妊治療にも新たな需要が生まれると予想されています。
IVFサポートセンターとしては、多様な家族のあり方を認め合う社会の実現を願いつつ、すべての人が安心して不妊治療を受けられるサポート体制の充実に引き続き取り組んでまいります。
2.バンコク病院の妊活カフェ開催
4月にバンコク病院で開催された「妊活カフェ」は、多くの方々が自由に情報交換できる場所として好評を博しました。
不妊治療というと、敷居が高い印象を持たれがちですが、リラックスした雰囲気の中で専門家や他の患者さんと意見を交わすことで、新たな知見や励ましを得られる貴重な場となりました。バンコク病院では定期的にこのようなイベントを行っているため、初めての治療を検討されている方や、現在ほかの医療機関で治療中の方にも有用な機会になるかもしれません。
IVFサポートセンターでも最新のイベント情報を随時把握し、サポートやご案内を行っていますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
3.海外駐在員における不妊治療費用の負担問題
近年、日本国内で不妊治療の保険適用範囲が拡大した一方、海外で暮らす日本人駐在員の治療費用負担が大きな課題としてクローズアップされています。
特にアメリカなどの医療費が高い国では、数百万円にも及ぶケースがあり、企業や保険の仕組みをどうするのかが大きな論点になっています。
タイでの治療費も日本に比べて決して安くはありませんが、比較的リーズナブルに抑えられるケースも多く、駐在員の方からお問い合わせをいただくことが増えました。
私たちIVFサポートセンターでは、費用面の不安を少しでも軽減できるよう、各種治療プラン作成のお手伝いをしています。
4.胚の取扱いに関する法的・倫理的な問題
アメリカの一部の州で「冷凍保存された胚を子供と同等に扱う」との判断が出たニュースは、不妊治療における倫理的・法的な議論を大きく揺さぶりました。
まだタイでは同様の法整備が進んでいないため、胚の取扱いをめぐっては医療機関ごとに慎重に対応しているのが現状です。とはいえ、今後、婚姻平等法の動きも含めて、タイでも法的ルールが整備される可能性があり、注意が必要です。
私たちIVFサポートセンターは、海外の情報もキャッチアップしつつ、患者様が安心して治療を進められるよう、柔軟にサポートを行ってまいります。
2025年に向けて
2024年は、社会的にも技術的にも大きな変化が相次ぎ、不妊治療のあり方がますます多様化した一年でした。
LGBTQ+カップルの結婚や、海外駐在員の費用負担問題など、新たな選択肢が生まれる一方で、胚の取扱いをめぐる課題も顕在化しました。
しかし、いずれのトピックにも共通するのは、「すべての方が、自分らしく家族を築く権利を持っている」という理念ではないでしょうか。
IVFサポートセンターでは、その理念を実現するために、これからも最新情報の収集や、患者様それぞれのご事情に合わせたコーディネートを大切にしてまいります。
本年も、ご利用いただいた皆様に心より感謝申し上げます。2025年も、皆様の理想を実現するお手伝いができるよう、尽力してまいります。皆様にとって希望あふれる一年となりますよう、お祈り申し上げます。