毎日新聞の記事を見ました。
新型出生前診断、一般診療に 実施施設増の見通し
https://mainichi.jp/articles/20180304/k00/00m/040/083000c妊婦の血液から胎児の染色体異常の可能性を調べる新型出生前診断(NIPT)について、日本産科婦人科学会(日産婦)は3日の理事会で、倫理面から臨床研究に限定してきた指針を変更し、一般診療として実施することを正式に決めた。現在は指針に基づき、日本医学会が臨床研究として実施する医療機関のみを認定しているが、今後は研究計画書や施設内の倫理委員会を通すことが不要になるため、実施施設が増える見通し。
新型出生前診断を受ける人は、年々増えて年間数万人が受けているようです。
そして陽性だった場合には90%の以上の人が堕胎するそうです。
つまりこの新型出生前診断(NIPT)は産むための検査ではなく、産まないための検査と同じという事になります。
今後、新型出生前診断(NIPT)が受けやすくなって検査する人が増えれば、当然堕胎される胎児もより一層増えて行くでしょう。
参照ページ:異常判明の96%中絶 利用拡大
https://mainichi.jp/articles/20160425/k00/00m/040/119000c
新型出生前診断(NIPT)を増やすのに着床前遺伝子診断は認めない日本産科婦人科学会(日産婦)の方針は、私にはまったく理解に苦しむ考えです。
着床前遺伝子診断なら胎児にならない段階で、異常胚を選別して移植できるのに、新型出生前診断(NIPT)で胎児を選別して、堕胎するほうが倫理的に正しいという事なのでしょうか?
そしてもう一点考えるべきことは、新型出生前診断(NIPT)を受けても100%障害のない子供を得られる保証は無いという事です。
理由は、新型出生前診断(NIPT)は、結果が「陰性」であれば、「99%の確率で染色体異常ではない」と考えられる検査ですが、精度が高いとはいえ、異常がある可能性を検出できる染色体は13番、18番、21番のみであり、確定診断ではない事。
そして、そもそも染色体異常は胎児に見られる異常のうち1/4を占めるにすぎないという事です。