通常、IVF治療の開始時には男性側パートナー様に「精子検査」をお願いしています。
日本人の場合、IVF治療の検討を始める時点で男性側も女性側も相当の年齢に達していることが多く、特に男性側は「精子の質」が問題として浮上してきます。
精子数が多いほど妊娠率が上がるというのは容易に想像できますが、実際に「精子数が少ない」場合、人工授精後の妊娠率にどれほど影響してくるのでしょうか?
2021年に発表された論文「Clarifying the relationship between total motile sperm counts and intrauterine insemination pregnancy rates(下記URL)」が参考になります。
この論文によると精子数(総運動精子数)が900万以上で妊娠率は16.7%、200〜399万で10.13%、25万未満という非常に少ない濃度でも4.18%という数字が出ており、採精の結果が悪くても諦めるには時期尚早という事が分かります。