AMHとは「抗ミュラー管ホルモン」のことで、成長途中にある卵胞から分泌されるホルモンの為、このAMHの値は採卵できる卵の数を推測する指標となっています。
AMHの値が高いと採卵できる卵の数に余裕がある可能性を。そして、逆にAMHの値が低いと、採卵できる卵の数があまり残っていない可能性が考えられます。
AMHが低いと妊娠率も低くなるのか?
AMHが低ければ年齢にかかわらず妊娠率も低くなるのかと言えばそうとも限りません。
例えば、2003年から2010年にかけてドイツで1287人の患者に対して行われた研究( https://www.researchgate.net/publication/305477026_The_influence_of_AMH_on_IVF_success )では、年齢35歳以下の患者でAMHが0.05未満でも妊娠率37%前後(AMH7以上で妊娠率41%前後)と、AMHに比例した差はあまり見られなかったようです。
逆に、年齢36-40歳の患者ではAMHが0.05未満で妊娠率26%前後、AMH7以上では妊娠率33%前後。
さらに、年齢が41歳以上の場合、AMH7以上で妊娠率17%前後、AMH1-7で妊娠率10%前後、AMH0.05-1で妊娠率14%前後、AMH0.05未満で妊娠率5%前後と、AMHの値が低くなるにつれ、妊娠率が下がる傾向にあることが分かります。
AMHが低いからと治療を諦める必要はない。
この様に、AMHの値は36歳以上の方にとって妊娠率を推測する一つの目安となると思います。
しかし、この研究結果が示すようにAMHが低い患者様でも妊娠に至っている事が分かりますから、AMHが低いからと落胆するのではなく、諦めずに治療を続ける事が良い結果を手にする一番の近道になりそうです。